地殻を辿る


地殻を辿る 
Tracing the Earth’s Crust

八木マリヨは、地殻から生まれる巨大なエネルギーの流れを掴みとり、人間存在が環境とひとつになるような造形を探究してきた環境芸術家である。「縄ロジイ」のシリーズは、縄の撚りが多様な生命の拠り合わせを示唆し、彼女の代表作として知られている。今回は地球の創生に関わる鉄を材に選び、地球生命と人間の未來の道筋を探究する新作を発表する。八木夕菜は、生命の営みの儚さや豊かさを紡ぐ「種覚ゆ」のシリーズや、時間の流れや光の軌跡を可視化した写真作品など、優れた視点で自然と対峙する表現に取り組んでいる。最新作は地面を敷き写すシリーズで、悠久の時を経た地球の表情の現在形とでもいうようなものになる。「地殻を辿る」は、2 人の作品の相乗によって、大いなるエネルギーの生まれる宇宙的空間を都市の中に創出する展覧会である。

展覧会監修 黒澤浩美
(金沢21 世紀美術館チーフ・キュレーター)

Mariyo Yagi is an environmental artist who has been exploring forms in which human existence becomes one with the environment by capturing the enormous flow of energy generated by the earth’s crust. The NAWALOGY series is known as her representative work in which the twisting of rope suggests the twisting of diverse forms of life. This time, she has chosen iron, which is related to the creation of the earth, as the material for a new work that explores the future path of life on earth and humans. Yuna Yagi has been working on expressions that confront nature from a superior perspective, such as her series of ‘Seeds Awakening’, which weaves together the transience and richness of life, and her photographic works that visualize the flow of time and the trajectory of light. Her latest work is a series that portrays layers of the earth’s surface that can be observed as the present tenseexpression of the earth after an eternal time has passed.Tracing the Earth’s Crust is an exhibition in which the synergy of the two artists, works creates a space of cosmology in the city, where great energy is generated.

Exhibition supervisor, Hiromi Kurosawa
(Chief Curator of 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa)

会期 : 2022年9月16日(金) – 2022年10月23日 (日)
時間 : 11:00 – 19:00(入場は18:30まで) 会期中無休 入場無料
会場 : ポーラ ミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX
〒104-0061 東京都中央区銀座1-7-7 POLA 銀座ビル3 階
主催 : 株式会社 ポーラ・オルビスホールディングス
協力 : 日本パーカライジング株式会社、ミリオン化学株式会社、株式会社ウォン、ツーエス工業、株式会社山田写真製版所

Exhibition Period : September 16 (Fri.) – October 23 (Sun.), 2022
Opening Hours : [Everyday] 11:00 – 19:00 / Enter by 18:30
Organizer : POLA Orbis Holdings Inc.
Support : Nihon Parkerizing Co., Ltd. Million Chemical Co., Ltd. S Industry Co., Ltd. YAMADA PHOTO PROCESS CO.,LTD
Venue : POLA MUSEUM ANNEX
POLA Ginza Building 3F 1-7-7 Ginza,Chuo-ku, Tokyo 104-0061, Japan

「視/覚の偏/遍在」


視/覚の偏/遍在
Visual/Cognition/Polarity/Universality

『見る』という行為は、視覚の情報を得、その情報を感覚として認識する一連のプロセスである。この我々の『見る』プロセスには、二つのバイアスによるパラドックスが生じうる。

一つ目は、我々が得た視覚情報をどれだけ現実(リアル)なまま認識出来ているのかという個人内のバイアスである − 時にこれは視覚情報を脳内で補正を行い、実際(リアル)よりも美しく感じさせるといった福音をもたらすこともある。つまり視覚とは、細部に焦点を当て、偏って見ることと焦点をぼやかし遍く認識する事から成り立っている。
二つ目は、現実(リアル)から得た視覚情報を他人と同様に認識出来ているのかという個人間のバイアスである − これは主客の一致の問いを越えて、なぜ我々は同一のものを見ていると感じるのかという現象学的な問いへと発展する。個々に認識しているものが偏っているという確信と、遍く多くの人が同じものを認識している確信とが並存していると云える。

2020年6月、緊急事態宣言が解除されて直ぐ、私は自然を求めて砂丘を訪れた。
そこには、視界を遮ることのない悠々と拡がる広大な砂地の景色がぼんやりと蜃気楼のように立ち現れ、更に遠くに目を向けると、どこまで行っても接することのない空と海の境界線(地平線)が見えた。足元には、砂によって可視化された風の痕跡や波の粒子など、どこまでも解像度の高い自然風景の断片を切り取ることが出来た。目の前に拡がる広大な景色とファインダー越しに見る限定的な視覚情報の差異は、視/覚のズレを生じさせる。そうして脳内で再構成された砂丘は、現実を超えた美しさであった。

時折、ものを見ていると視覚を越えた感覚が認識されることがある。時に『もの』は、我々個人の中に視/覚を通じて独自の認識を形成する。しかしその時、我々は、他人と同じ『もの』を見ているのだという確信も同時に持っている。これらの視/覚の偏/遍在は、あたかも心/信条の在り方と同様ではないだろうか。

Covid-19やロシア・ウクライナ戦争など、様々な心情や信条の分断が生じている現状において、視/覚の偏/遍在を体感しつつも、それでも同じ『もの』を『見る』ことへの可能性を提示したい。

視/覚の偏/遍在
Visual/Cognition/Polarity/Universality

会期|2022年4月29日(金・祝) 〜 2022年5月28日(土) ※GW期間中の祝日は開廊
時間|OPEN : 11:00-19:00、CLOSE : 日・月・祝 (Sun & Mon)
会場|√K Contemporary
〒162-0836 東京都新宿区南町6
Tel. 03-6280-8808    √K Contemporary
主催|√K Contemporary
協力|FLAT LABO

| Gallery Talk |
関東圏では約4年ぶりとなる包括的な八木夕菜の個展「視/覚の偏/遍在」の初日となる4月29日(金・祝)、八木夕菜(現代アーティスト)、木村絵理子氏(横浜美術館主任学芸員)、そしてモデレーターに隅本晋太朗氏(インディペンデントキュレーター)によるギャラリートークを開催いたします。

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作品所蔵

金沢21世紀美術館に作品が所蔵されることが決まりました。

所蔵される作品は、昨年のkyotographie 2021で両足院にて展示した「種覚ゆ / The Records of Seeds」の作品です。

先日、友人が所持する平安時代の土器を触らせて頂いたのですが、800年もの歳月を経ても尚人々の想いによって大切に手から手に継がれてきたという事実に感銘を受けていました。そして、今その土器がここに在るということで伝えてくれるメッセージがあることに身が震える体験をしました。

上記まではいかなくても、作家として作品が美術館に所蔵されることは、ひとつの夢であり、作品を大事に後世に残され保管して頂けるということはとても光栄なことです。

また、「種覚ゆ」は、タイトルにもあるように種自身が土地や風土を記憶し、ヒトの想いや活動がそれらを繋いでいくことを表した作品でもありました。私の手から離れ、次は作品が時代を越えて伝え続けてくれる存在になったか思うと、改めて制作した意味があったと思えました。

建築教育では、100年先の未来を想像して設計しなさいと口を酸っぱく言われてきましたが、そのような意識を持って制作に関わることが大事だと改めて教えて頂いたように思います。

たくさんの熱い心を持った方々の、厚い協力を得ながら制作した「種覚ゆ」でしたので、まずは関わって下さった方々やいつも応援してくださる近しい方々に御礼のメッセージをお送りしました。

過去を振り返ってみると、今までたくさん悩み、苦しいことも理解されないこともありましたが、それでも更新しながら進み続けてきた結果だったと心が震えました。そしてそんな苦しみに勝るくらいたくさんの方たちに賛同、応援して頂いていることに深い喜びと幸せを感じています。

これからも初心を忘れず、

試行錯誤しながらも、真理や表現の探求、アートを通して少しでも明るい社会に、人々の心に光が灯りますよう制作を続けていけたらと思います。

更に身の引き締まる思いですが、これからもご指導、ご協力を頂けますと幸いです。

どうぞ引き続き宜しくお願い致します。

Photo by Takeshi Asano

Blanc / Black


Blanc / Black

“瞑想とは、あらゆる表象やイメージ、記憶から精神を自由にすることである”
『クリシュナムルティの瞑想録』より

瞑想で得た気づきは、写真表現で実現可能か。その問いから始まったBlanc / Blackシリーズは太陽神である天照大神が祀られている京都の神社、日向大神宮にて撮影したものです。

写真の本質である光と影を、多重露光と多重印刷によって繰り返し編んでいく。
それはやがて、記憶としての空間のイメージを「存在」から自由になった「白」と「黒」に結実させる。

英語の ”Black”(黒)はフランス語の ”Blanc”(白)を語源とし、「白」「黒」共に彩色が無い状態であるため “Blanc” は「空白」も意味している。「白」も「黒」も「色」でありながら「空白」である。

全てが存在するが何も無い「白」と「黒」で象徴された光と影。

“色即是空”

それは、私が瞑想から得た気づきと同じである。

Yuna Yagi Exhibition
Blanc / Black

日程|2021年10月22日(金) 〜 2021年11月09日(火)
時間|OPEN : 12:00-20:00、CLOSE : 水・木 (Wed & Thu)
会場|DELTA / KYOTOGRAPHIE Permanent Space
〒602-0826 京都市上京区桝形通寺町東入三栄町62
Tel. 075-708-8727    https://delta.kyotographie.jp/
主催|一般社団法人 KYOTOGRAPHIE
助成|Art Collaboration Kyoto 連携アートイベント事業

ACK (Art Collaboration Kyoto 11/5-7) のサテライトプログラム、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 extra の一貫としての展示となります。本展では《Blanc / Black》シリーズを、DELTA スペシャルエディションにて制作したものを展示販売致します。

【トークイベント】
八木夕菜(アーティスト)× 小崎哲哉(REALKYOTO FORUM編集長)
11月7日(日) 17:00ー18:00(1ドリンクオーダー制)

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種覚ゆ / The Record of Seeds


種覚ゆ / The Record of Seeds

長崎県雲仙市にて有機農業と種の自家採種を30年余り行い、在来種・固定種の野菜の種を守る「種取り農家」の岩崎政利氏の活動に着目しました。「野菜の一生を見届ける」という岩崎氏が育てる野菜の生命力と、種を守るという営み、雲仙の自然の豊饒さを捉えた先に映る野菜の生命力は、市場原理に左右される状況や気候変動など、世界中でいま起きているさまざまな問題に静かに一石を投じています。

Yuna Yagi Exhibition
種覚ゆ
/ The Record of Seeds
日程|2021年9月18日(土) 〜 2021年10月17日(日)
時間|10:00-18:00
会場|両足院 (建仁寺山内)
〒605-0811 京都市東山区小松町591
Tel. 075-561-3216    https://ryosokuin.com/
主催|KYOTOGRAPHIE
協力|両足院+竹内誠一郎建築研究所+有限会社「さくあん」左官 萩野哲也様

展示期間中にトークイベントもあります。
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