Dual Exhibition

地殻を辿る

Tracing the Earth’s Crust

September 16 (Fri.) – October 23 (Sun.), 2022

八木マリヨは、地殻から生まれる巨大なエネルギーの流れを掴みとり、人間存在が環境とひとつになるような造形を探究してきた環境芸術家である。「縄ロジイ」のシリーズは、縄の撚りが多様な生命の拠り合わせを示唆し、彼女の代表作として知られている。今回は地球の創生に関わる鉄を材に選び、地球生命と人間の未來の道筋を探究する新作を発表する。八木夕菜は、生命の営みの儚さや豊かさを紡ぐ「種覚ゆ」のシリーズや、時間の流れや光の軌跡を可視化した写真作品など、優れた視点で自然と対峙する表現に取り組んでいる。最新作は地面を敷き写すシリーズで、悠久の時を経た地球の表情の現在形とでもいうようなものになる。「地殻を辿る」は、2 人の作品の相乗によって、大いなるエネルギーの生まれる宇宙的空間を都市の中に創出する展覧会である。

展覧会監修 黒澤浩美
(金沢21 世紀美術館チーフ・キュレーター)

Mariyo Yagi is an environmental artist who has been exploring forms in which human existence becomes one with the environment by capturing the enormous flow of energy generated by the earth’s crust. The NAWALOGY series is known as her representative work in which the twisting of rope suggests the twisting of diverse forms of life. This time, she has chosen iron, which is related to the creation of the earth, as the material for a new work that explores the future path of life on earth and humans. Yuna Yagi has been working on expressions that confront nature from a superior perspective, such as her series of ‘Seeds Awakening’, which weaves together the transience and richness of life, and her photographic works that visualize the flow of time and the trajectory of light. Her latest work is a series that portrays layers of the earth’s surface that can be observed as the present tenseexpression of the earth after an eternal time has passed.Tracing the Earth’s Crust is an exhibition in which the synergy of the two artists, works creates a space of cosmology in the city, where great energy is generated.

Exhibition supervisor, Hiromi Kurosawa
(Chief Curator of 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa)

会期 : 2022年9月16日(金) – 2022年10月23日 (日)
時間 : 11:00 – 19:00(入場は18:30まで) 会期中無休 入場無料
主催 : 株式会社 ポーラ・オルビスホールディングス
協力 : 日本パーカライジング株式会社、ミリオン化学株式会社、株式会社ウォン、ツーエス工業、株式会社山田写真製版所
会場 : ポーラ ミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX
〒104-0061 東京都中央区銀座1-7-7 POLA 銀座ビル3 階

Exhibition Period : September 16 (Fri.) – October 23 (Sun.), 2022
Opening Hours : [Everyday] 11:00 – 19:00 / Enter by 18:30
Organizer : POLA Orbis Holdings Inc.
Support : Nihon Parkerizing Co., Ltd. Million Chemical Co., Ltd. S Industry Co., Ltd. YAMADA PHOTO PROCESS CO.,LTD
Venue : POLA MUSEUM ANNEX
POLA Ginza Building 3F 1-7-7 Ginza,Chuo-ku, Tokyo 104-0061, Japan

Solo Exhibition

視/覚の偏/遍在

Visual/Cognition/Polarity/Universality

April 29 (Fri.) – May 28 (Sat.), 2022

本展では、新旧作を展示いたします。今回発表する新作シリーズは、砂丘をモチーフとし、アクリルやスチールといった、通常は支持体として用いる事のない素材にプリントされ、「写真」の可能性を拡張する作品群となっています。透過性の高いアクリルのブロックにプリントされた画像は、光の屈折により見る角度によって異なる景色を見せます。レンズを通したかのように、ある限られた視点しか見えない角度、肉眼でみる風景に近いような全体が見える角度、反対に画像が全く見えない死角。この作品群は光の性質と人間の視覚の関係性を認識させ、私たちがそれぞれ当たり前のように持っている「視覚」が常に「何か」に依存するものであることを気づかせてくれます。今回、コロナ禍で自然を求めて訪れた砂丘で広大な大地の姿を目にしました。私自身の視覚とファインダーを通した視点。作品には、その「ズレ」が表現され、鑑賞者は、自分たちが「見る」もの、そしてその行為と認識への疑問符を啓示させられます。果たして自分が見ている「モノ」は実際はどんなものなのか、「視覚」がとらえた「モノ」がどう「認識」され、そして認識された情報がどう「偏り」を持ちながら、「モノ」が自分の中に存在するのか。自分の視覚が捉え、認識する「モノ」は、個々の心/信条の在り方によって変っていくものなのではないでしょうか。現代のデジタル社会において、物理的に「モノ」を「見て」、「認識」するという視覚のプロセスが変動している中、この作品群が、「存在」を認識する人間の感覚を再考する機会となりましたら幸甚です。

The exhibition presents early to latest works from the artist’s career.
Marking its debut, Yuna Yagi’s latest series presents various abstractions of sand dunes. Printed on acrylic and steel, the series seeks to refine the notion of a photograph. As the light reflects through the translucent acrylic blocks of the work, the work begins to alter alongside the viewer and their shifting viewpoint(s). As if looking through a lens, the viewer is offered a range of sights; from one of limitation to that of great depth, and that of nothingness. Drawing attention to the relationship between light and human vision, Yuna Yagi’s works reveal the biased and constructed nature of “vision”.
In the face of the pandemic, Yuna Yagi traveled to the vast lands of sand dunes in search of nature Through this, she formed a perspective through her vision and viewfinder. Manifesting these subjective “misalignment(s)”, these works reveal the incongruities of vision and compel viewers to reflect upon their own experiences and perceptions.
What is “it” that I actually see, how is “it” captured by “vision” and “cognition”, and how can this information be both “biased” yet exist intrinsically within us? Perhaps the “things” one recognizes can alter with their state of mind.
As the physical process of “seeing” and “perceiving” undergoes continual changes in an increasingly digitalized society, these works compel us to reconsider the meaning of “existence” in the realm of human experience.

会期 : 2022年4月29日(金・祝) – 2022年5月28日(土) ※GW期間中の祝日は開廊
時間 : OPEN : 11:00-19:00、CLOSE : 日・月・祝 (Sun & Mon)
主催 : √K Contemporary
協力 : FLAT LABO
会場 : √K Contemporary
〒162-0836 東京都新宿区南町6

Exhibition Period : April 29 (Fri.) – May 28 (Sat.), 2022
Opening Hours : [Tuesday - Saturday] 11:00 – 19:00
Closed : Sundays, Mondays and National Holidays (Open throughout Golden Week)
Organizer : √K Contemporary (Root K Contemporary)
Cooperation : FLAT LABO
Venue : √K Contemporary
(Root K Contemporary)
6 Minamicho, Shinjuku-ku, Tokyo, 162-0836, Japan

Art Collection

作品収蔵

February 15 (Tue.)

金沢21世紀美術館に作品が所蔵されることが決まりました。
所蔵される作品は、昨年のkyotographie 2021で両足院にて展示した「種覚ゆ / The Records of Seeds」の作品です。先日、友人が所持する平安時代の土器を触らせて頂いたのですが、800年もの歳月を経ても尚人々の想いによって大切に手から手に継がれてきたという事実に感銘を受けていました。そして、今その土器がここに在るということで伝えてくれるメッセージがあることに身が震える体験をしました。上記まではいかなくても、作家として作品が美術館に所蔵されることは、ひとつの夢であり、作品を大事に後世に残され保管して頂けるということはとても光栄なことです。また、「種覚ゆ」は、タイトルにもあるように種自身が土地や風土を記憶し、ヒトの想いや活動がそれらを繋いでいくことを表した作品でもありました。私の手から離れ、次は作品が時代を越えて伝え続けてくれる存在になったか思うと、改めて制作した意味があったと思えました。建築教育では、100年先の未来を想像して設計しなさいと口を酸っぱく言われてきましたが、そのような意識を持って制作に関わることが大事だと改めて教えて頂いたように思います。たくさんの熱い心を持った方々の、厚い協力を得ながら制作した「種覚ゆ」でしたので、まずは関わって下さった方々やいつも応援してくださる近しい方々に御礼のメッセージをお送りしました。過去を振り返ってみると、今までたくさん悩み、苦しいことも理解されないこともありましたが、それでも更新しながら進み続けてきた結果だったと心が震えました。そしてそんな苦しみに勝るくらいたくさんの方たちに賛同、応援して頂いていることに深い喜びと幸せを感じています。これからも初心を忘れず、試行錯誤しながらも、真理や表現の探求、アートを通して少しでも明るい社会に、人々の心に光が灯りますよう制作を続けていけたらと思います。更に身の引き締まる思いですが、これからもご指導、ご協力を頂けますと幸いです。どうぞ引き続き宜しくお願い致します。

Photo by Takeshi Asano

Workshop

観察のためのワークショップ 

『見ること

October 17 (Sun.) , November 14 (Sun.), 2021

延期 前編「見ること」2021.10.17 sun
先入観や思い込みのない眼差しで物事を観察する方法と、その多様性を学びます。
先人の芸術家、講師作品等を教材に用いて、他者の観察眼を学ぶ〈講義〉と、講師が用意した対象物を観察し、気づきや発見をグループで発表する〈グループワーク〉を行います。

延期 後編「見るの考察」2021.11.14 sun
前編受講者が対象となります。
前編受講後の観察眼の変化について記録物を持ち寄り、講師と共に考察します。
記録物の形態は特に問いません。日記等に書き記したもの、スマートフォンで撮影した日常の一コマ等、何でも思いつくものをお持ち下さい。
※前編受講後に作品を制作された参加者は、可能な範囲でお持ち下さい。

日時 : 延期 2021年10月17日(日) 前編
   延期 2021年11月14日(日) 後編
時間 : 各回 13:30 ~ 15:00
定員 : 各回50名
対象 : 高校生以上
主催 : 京都府立京都学・歴彩館 指定管理者「コングレ・日本管財・丸善雄松堂共同事業体」
会場 : 京都府立京都学・歴彩館 1階小ホール
申込締切 :
※定員に達していない場合のみ当日受付致します。
申込方法:下記リンクにて
【10月17日&11月14日】観察のためのワークショップ『見ること』前編&後編|イベント|京都北山に位置する総合学習施設、京都学・歴彩館 (rekisaikan.jp)

Photo Festival

種覚ゆ The Record of Seeds

September 18 (Sat.) – October 17 (Sun.), 2021

長崎県雲仙市にて有機農業と種の自家採種を30年余り行い、在来種・固定種の野菜の種を守る「種取り農家」の岩崎政利氏の活動に着目しました。「野菜の一生を見届ける」という岩崎氏が育てる野菜の生命力と、種を守るという営み、雲仙の自然の豊饒さを捉えた先に映る野菜の生命力は、市場原理に左右される状況や気候変動など、世界中でいま起きているさまざまな問題に静かに一石を投じています。


Yagi focused on the activities of Mr. Masatoshi Iwasaki, a "seed farmer" who has been engaged in organic farming and seed production for more than 30 years, working to preserve and protect native vegetable seeds in Unzen City, Nagasaki Prefecture, and captured the vitality of the vegetables grown by Mr. Iwasaki in her photographs. We see “the whole life of the vegetables,” the work of maintaining the seeds, and the natural fertility of Unzen. The life force of the vegetables, reflected through Yagi's earnest eyes, raises questions about various issues the world faces today, such as the effects of climate change and adherence to market principles.

会期 : 2021年9月18日(土) 〜 2021年10月17日(日) ※CLOSE : 9/23, 10/11-13
時間 : 10:00-18:00
主催 : KYOTOGRAPHIE
協力 : 両足院、竹内誠一郎建築研究所、有限会社「さくあん」左官 萩野哲也様
会場 : 両足院 (建仁寺山内)
〒605-0811 京都市東山区小松町591

Exhibition Period : September 18 (Sat.) – October 17 (Sun.), 2021
Opening Hours : [Tuesday - Saturday] 10:00 – 17:00
Closed : 9/23, 10/11-13
Organizer : KYOTOGRAPHIE
Cooperation : Ryosokuin Temple, seiichiro takeuchi architects, Mr. Tetsuya Hagino, Plasterer, Sakuan Co.
Venue : Ryosokuin Temple (Kennin-ji Temple)
591, Komatsu-cho, Higashiyama-ku, Kyoto, 605-3216, Japan

Solo Exhibition

視点と形

July 7 (Wed.) – July 26 (Mon.), 2021

日本橋高島屋美術画廊Xにて、初の個展を開催致します。昨年から少しずつ準備をしている新作20点程を展示致します。今回は新しい素材にも挑戦しているので是非この機会にご笑覧頂けますと幸いです。
今展ではアクリルや金属といった写真現像の際には通常支持体とされない素材に主題となる日本の建築物のシルエットをプリントしています。
写真は、『Perspective =遠近法』による単一の視点によって『ひとつの視点から見られた世界像』として表象的に納められてしまう。しかし、写真が単一の視点による平面的なものという概念から解放されると、2 次元と3 次元との間に曖昧な空間が生じ、多く『Perspective = 視点』が現出する。その多角的な『Perspective = 視点』によって、世界の本質=観念を見通すことが出来るのではないか。私たちは眼で見たものだけで世界を見ているのではなく、心で世界を見ている。自己の中に生まれる新たな視野= 内省の中に見たこともない景色が拡がることを期待したいです。

会期 : 2021年7月7日(水) 〜 2021年7月26日(月)
時間 : 10:30-19:30
会場 : 日本橋高島屋S.C. 本館6階 美術画廊X
〒103-8265
東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋S.C. 本館6階

Exhibition Period : July 7 (Wed.) – July 26 (Mon.), 2021
Opening Hours : 10:30 – 19:30
Venue : Nihombashi Takashimaya 6F / Art Gallery
2-4-1 Nihombashi, Chuo-ku, Tokyo 103-8265, Japan